2014年9月6日土曜日

新曲を暗譜する際に注意したい事

12日のコンサートまで残すところ一週間となり、曲の仕上げに追われている。今回は得意のイタリア語に加えて、スペイン語、フランス語、ドイツ語、日本語、英語が加わるので暗譜に要する時間も長大だ。
自分にとって、ラテン語の部類に属する、イタリア語、スペイン語、フランス語は比較的暗譜するのも早く、感情移入もし易い。また、義務教育で時間をかけて学んだ英語も、発音にこそ気を使うものの、比較的早く暗譜できるのだが、ドイツ語、日本語に関しては毎回暗譜に苦戦している。
子音の処理など、発音に気を使う英語、ドイツ語に苦戦するのは、自分でも納得がいくのだが、(恐らく?)生粋の日本人である自分が日本語の暗譜に苦戦するのはなぜなのだろうか?
家の中である用事を思い出し、それを行おうと別の部屋に移動した瞬間「はて?  何をしに来たんだっけ?」という軽い記憶喪失に陥ることが近頃良くあるのだが、「痴呆の影が忍び寄っているのでは?」という不安が脳裏をかすめる……………( ̄◇ ̄;)。

自宅でのレッスンで生徒さんに次のレッスンまでに新曲を暗譜してくるようにお願いすると、ほとんどの人は完璧に暗譜をしてきてくれる。このこと自体は本来、褒めてしかるべきことなのだが、レッスンで発声のポジションを矯正していくと、面白いことに、ほとんどの人が歌詞を思い出せなくなってしまう。
これは彼らが、歌詞を言語としての不自然さがない事を最優先にしたポジションで、練習をしてきたので、レッスンで母音の響きを多くするポジションに移行されたことによって記憶の通り道が変わってしまい、起きる症状のように思う。

自分が日本語での暗譜に思いの外、時間がかかるのも、日本語を言語として認識できるポジションではなく、ベルカントの正しい母音のポジションで歌うことを優先しているために日本語ネイティブという特権が、全く暗譜には生かされないからあり、「痴呆の始まりでは決してない!!」と頑なに自分に言い聞かせている。
http://belcanto.jpn.com




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